左折(日本でいう右折)用の信号は、日本同様すべての交差点にあるわけではなく、主に大きな通りの交差点に設置されている。
少し前のことですが、とあるモールの駐車場に左折で入ろうとしたときのこと。
そこは交差点という代物ではなく、直進の道に左折レーンがあって、そのレーンの先は公道ではなく、単にモールの駐車場に入る為だけの道。そんなところにご丁寧に左折信号なんてあるわけがない。
というのは思い込みで、直進信号青、対向車なし、そしていざ左折、の瞬間に助手席にいた私は左折信号の矢印がまんまと赤色であるのを見てしまった。
「・・・いま、赤だったね」
「・・・でももう曲がっちゃったし」
車通りも少ない夜で、そのまま普通に駐車場に入り駐車スペースを探していると、後ろからスーッと白いモノが。
白バイが静かに後を追ってきたのである。
まさか見られていた・・・?
そのまさかでした。
なにげなく駐車して、気付かぬ振りして車から降りるとピタと後ろに警官が待ち構えており。
「今信号無視したよね」「気付きませんでしたすみません」
のようなやりとりの後、免許の提示を求められ、あいにくその時はまだ米免許を取得していなかった為日本で作ってきた国際運転免許証を提示すると、それをじーっと見つめる。
この国際運転免許証、本来は一時的な滞在者用のもの。
「この辺に住んでいるのか?」
「一時的に。」
「いつまでいるのか?」
「来月日本に帰ります。」(←偽り)
しばし無言。
そののち、今後は気をつけるようにと諭され、「Good night!」と再び白バイにまたがり颯爽と去って行かれました。
もし米免許を提示していたらきっと普通に信号無視として処理されたものと思われます。
もしくは、来月もういないなら罰金請求してもしょうがないか、と思われたのかもしれません。
運がよかったと言うべきか、ちょうど信号無視の瞬間を押さえられ運が悪かったと言うべきか。
それにしても・・・どきどきした。