旅好きル☆行き着いた先はキャンピングカー

行き着いた先はキャンピングカー

渡米を機に始めたブログ。今は旅の記録用。2018年キャンピングカーを購入し、より旅に出やすくなりました。

Day21:ニューオリンズ&番外編 -アメリカ縦横断-

2008.08.29

番外編その一: なにかおかしい

最終目的地まであと一日、順調にこの長旅を終えられそうでよかった、なんて思う時にかぎって予想外の出来事は起こり得るもので。。。



■ガソリン満タン命令

テキサス州ヒューストンからI-10を東へニューオリンズ方面へ走行中、フリーウェイの電光掲示板で“ガソリンタンクを満タンにしておけ”の表示が。おそらくこの先しばらくGSがないということだろうと、素直に最寄りのEXITでやや高かったもののガソリンを満タンにします。

再び走り出すと、今までのところよりよっぽどGSが頻繁に出てきます。あの掲示板はなんだったんだろうわからぬまままぁいいかと走り続けます。

■バスの行列

片側3車線のフリーウェイ、ふと横をみると、大型バスが何台も走っていました。明日(土)からはレイバーディ(月)までの三連休。みんな長距離バスで遠出をするのかななんて思っていたら、それはすべて乗客のいない空バスで、バス会社の種類もさまざま。

そして、そのバスたちは何台も何台もずーっと連なっていて一車線を延々と占領しており、追い越し車線からそのバスたちの一番先頭まで行きつくとパトカーが先導しています。

なぜ観光バスをパトカーが先導しているのか、このときはさっぱりわからずが、ハリケーンの被災者を運ぶためにニューオリンズへ向かってるんじゃないのなんて冗談で話していました。このときハリケーンはまだニューオリンズからはずっと遠い海上にいて、ニュースでも危険になるようなことは特に報道していなかったからです。

まさかその冗談がずばり的中だったなんて、この時は知り得ません。

■救急車の列

反対車線を救急車が何台も走り抜けます。やっぱりなにかあったんじゃないか、もしくはこれからあるんじゃないかと異変を感じはじめます。

番外編その二:ガソリンスタンドにガソリンがない

■Out of Order

予定が狂ったためニューオリンズまでたどり着くのをあきらめ、手前のLafayetteという町に泊まることにしました。比較的大きな町です。

ガソリンスを補給しようとGSを探すと、どこもかしこもノズルにビニールカバーがかぶっています。この町はノズルが汚れないようにみんなカバーをしているんだ、と思ったら、いざ入れようと近づくと“Out of order”の文字が。なんだ故障だったのかなんて、と思ってほかのGSに行っても同様。なにかおかしい。だんだん察しがついてきたことは、故障ではなく、ガソリンがそのガソリンスタンドにないのだ、ということでした。

ようやくカバーのかかっていないGSでガソリンを満タンにすると、ほかの車は車を満タンにするだけでなく、タンク(灯油の赤タンクみたいなの)にもガソリンを入れています。え?なんで?買いだめ?それともこれからの連休でよほどGSのない山奥にいくとか?これもハリケーンの影響?

この旅、宿への到着はいつも夜遅く、深夜はTVニュースもあまりやっておらず、見る時間もほとんどなく、ネットも滅多につながらず、常に移動している為ラジオのニュースチャンネルを都度見つけるのも容易ではなく、情報が手に入らないのです。

■ピチョン・ピチョン

翌朝、再びニューオリンズへ向けて走り出し、またガソリンがないGSだらけだと困るので途中のGSに立ち寄ります。幸いここはまだ生きている、と思ったら、給油の途中でだんだんチョロチョロと…なんとここのGSにあるガソリンを使い切ってしまったようです。

私たちよりあとに来た車はもちろんもうガソリンがないので給油できません。給油の途中で止まってしまったのは初めての経験。入ったのはたったの3ガロン。また少し先のGSを発見し、ここでようやく満タンまで入れます。GSは大繁盛。たくさんの車がいて、みんな予備タンクにもがんがんガソリンを入れています。

このあと数時間後、ようやくラジオのニュースで、メキシコ湾の石油プラントがハリケーンを原因とし稼働停止したと知りました。値段は一気に三割増しになったそうで、実際2,3日前とは値段が全然違います。

2008.08.30

番外編その三:ニューオリンズ(8月30日)

■避難?連休?

ハリケーンシーズンのルイジアナ州。もちろん朝モーテルで天気予報およびニュースをチェックしてきたわけですが、ニューオリンズあたりへハリケーンGUSTAVが来るのは月曜日とのこと。今日は土曜日です。

ニューオリンズに近づくな、なんてニュースも全くやっていなかったので、予定通り向かっていると、フィリーウェイの反対車線が大渋滞。TVの中継車も出ているほど。まさか、避難している人たち?それとも三連休の初日だから渋滞しているだけ?

車に乗っていると頼りの情報源はラジオだけですが、ラジオは音楽ばかり、ニュースは一向にやっておらず、やっていても危機めいたことはとくに聞こえてきません。

避難か、連休渋滞か、わからぬままニューオリンズへ到着。

■ハリケーンカトリーナの傷跡

道を間違えたせいでダウンタウンとは離れた方面ところに迷い込んでいたら、2005年のハリケーンカトリーナから復興していない家々をたくさん目にしました。

その一帯の家は傷跡生々しく、まだ避難生活を続けている人たちがいるということを思い起こさせられます。壊滅状態になった町、それを元に戻すことがいかに難しいことが目の当たりにしました。

私たちのような観光客たちがたくさんニューオリンズの町を訪れることは再建への手助けとなります。


■トイレに行きたい

車をとめ、町をぶらぶらしはじめたけれど、なんだか静か。多くの店が営業しておらず、壊れていたりもして、ダウンタウンですらまだ完全復興には至っていないようでした。

昼前に到着したためまず腹ごしらえ、と思ったけれど目的のレストランはことごとく閉まっており、せめてお手洗いに、と思ってもパブリックレストルームもクローズド。

町をさまよい、ようやく営業しているバーのようなレストランで食事ができました。開いている店が少ないので観光客がそこに集中しています。そしてやっとトイレ、と思ったらドアが壊れていてしまりません。でもここを逃すわけにはいかない!というわけで見知らぬ人に外からドアを抑えていてもらいました。鍵が壊れていたり閉まらなかったり、ということにももう慣れました。

■もしかしてハリケーンのせい?

しばらく歩くと、建物の窓にはめ込まれているベニヤ板などがまだ新しいことに気付きます。2005年以来だったらそんなにきれいじゃないはず。それにビルによっては入口に土嚢が積まれていたりも。

そして町に手持無沙汰そうな軍の人たちがたくさんなにかを待っている様子。

この頃になってようやく、このニューオリンズの異常さはこれから来るハリケーンのせいなのだと確信めいてきます。

■避難命令

ランチ後、15時頃ニューオリンズをあとにし、5時間ほど離れたモントゴメリという、アトランタニューオリンズの中間くらいに位置する最後の宿泊予定地へ走り出します。

ラジオでは今日の午前中までは音楽ばかりだったくせに、ちょうどこの頃避難命令が出たようで、急にどのチャンネルも臨時ハリケーンニュースを放送し始めました。

「It's time to leave.」と。

ニューオリンズを含むルイジアナ州各地への避難命令はツーリストも対象です。明日朝8時までに全員非難を完了しろとのこと。ラジオを聞くまではそんなこともしらずのんきに観光していました。

案の定、フリーウェイはずーっと渋滞。迂回路もなく、ただ流れに身をゆだねます。わが車はくしくも荷物満載。まさに家財道具一式かかえて避難しているように見えたことでしょう。

ニューオリンズからの距離が離れるにしたがって多少渋滞は解消されたものの車は多く、普段はそうそう混まないであろうど田舎まで来ても減りません。

逃げる方向は北か東。途中に町も大してなく他に行くところが車たちは減るわけもなく、しかし夜になってだいぶ流れてはきました。

私達の泊まる予定の町はニューオリンズから相当はなれているところ。避難するひとたちもそこまでは来ないであろうというくらいの距離なので、宿確保の心配はちらりとよぎった程度でなんとかなるだろうと思っていました。このときは。

■いやな予感的中

22:40 ようやくモントゴメリという町に到着。事前に予約はしていないのでいつものように手頃なモーテルに空き部屋を訪ねるとSOLD OUTとのこと。

まさか。観光地でもなんでもない田舎町、経験上こういうところで満室なんてそうそうありえないことです。

2軒目も同様。この時点でこの町はもうだめかも、と思いつつあたった3軒目も同じくで、フロントの人たちはみな電話で連絡をとりあっているようです。

避難者の影響がここまで及んでいたなんて。

普段は静かな町であろうモントゴメリは、宿をさがす車たちが右往左往あふれかえっています。

■宿難民

10軒ほどのモーテルをあきらめ、深夜0時とりあえずアトランタ方面へ引き続き走り、モーテルがあることにあたってみることにしました。

といっても十数マイル走るごとにぽつりぽつりと現れるモーテルはやはりどこも満室。

とある一軒の宿で、受付の女性が近くの別のモーテルに一室空きがあると教えてくれました。疲れと眠気がそろそろ辛い頃だったので喜んで行ってみるとその手頃系のモーテルでは、一室だけ空いているその部屋に対し199ドルという高値をふっかけてきました。普段は大体60ドル~100以下であろうチェーン店です。理不尽なので受け入れられません。いざとなったらシートは倒せないけど車で寝ようとさらに先へと走ります。

自分たちは旅の途中でありもともとどこかには泊まる予定だったものの、避難命令を受けて自分の家を離れなければならない人たちは、空きのある宿を求めてどんどん遠くへ走らなければならず、そのガソリン代や高値となっている宿代は誰かが出してくれるわけでもないのです。

もう距離にして東京の人が広島に避難しているくらいの状況です。日本では考えられません。その距離をまた戻らなければならない上に、避難解除がいつになるかもわからないわけですから、その大変さを強く実感しました。

■確保!

ついにアトランタのあるジョージア州に突入してしまいました。

ここで時差をまたぎます。深夜2時だったのが深夜3時になります。逆の時差なら気分的にまだいいのに。

あきらめかけたころ、La Grangeという所のとあるモーテルになんと空きが!しかも部屋のタイプはスイートなのに99ドルにディスカウントしてくれるというのです。

宿のコンピューターがシャットダウンしていて、手書きのやさしい説明のやりとり。フロントのおじいちゃんがとってもいい人に見えました。

滞在時間は数時間なのに無駄に広い部屋でようやく眠りにつくことができました。

*Ranking にほんブログ村 写真ブログ 旅行・海外写真へ ←Please click on an icon  Thank you for your vote!